楽天でんき・楽天ひかり完全ガイド|SPUではなく「料金」で判断する

denki-hikari サービス別ガイド

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この記事の結論

  1. 楽天でんきは、契約アンペアで有利不利が入れ替わります。基本料金が0円なので30A以上ならどの使用量でも安くなりますが、20Aでは月89〜383kWhの範囲で逆に高くなります(最大で月304円、年3,648円)。
  2. 楽天ひかりは毎月1,000ポイントの還元が効きます。マンションプラン4,180円から1,000ポイント分を引くと実質3,180円相当。ただし工事費22,000円の分割が24か月残るため、2年以内に解約すると残債が現金負担になります
  3. どちらもSPUを判断材料にしないでください。楽天でんきの+0.5倍で上限1,000ptを取るには、楽天市場で月20万円の買い物が必要です。料金で比べて互角以上なら乗り換える、という順番が正解です。

この記事でわかること

  • 楽天でんきと大手電力の料金の仕組みの違いと、使用量別の比較
  • 契約アンペアによって損得が逆転する境目(89kWhと383kWh)
  • 楽天ひかりの実質負担額と、工事費「実質0円」の正体
  • 両サービスのSPUが、実際にはいくら使わないと効かないか

この2つをまとめて扱う理由

楽天でんきと楽天ひかりは、楽天経済圏のなかで同じ性質を持ったサービスです。どちらも既存の契約からの乗り換えを伴い、どちらもSPUの対象で、そしてどちらもSPUの倍率を理由に契約すると損をしやすいという共通点があります。

本サイトの立場は一貫しています。通信費や光熱費は、まず固定費として料金を比べる。料金がほぼ互角か安いなら乗り換える。SPUはそのあとの加点材料として数える。この順序です(考え方は「固定費置き換えの年間削減シミュレーション」)。

この記事では、その「料金の比較」を公式の単価で実際にやります。

楽天でんき:基本料金0円という設計

楽天でんきの料金は、大手電力会社とは計算の形が違います。東京電力エナジーパートナーのスタンダードS(関東)と並べます。

項目 東京電力EP スタンダードS 楽天でんき プランS
基本料金 10Aにつき311.75円 なし(0円)
電力量料金(〜120kWh) 29.80円/kWh 36.85円/kWh(一律)
電力量料金(121〜300kWh) 36.40円/kWh
電力量料金(301kWh〜) 40.49円/kWh
使用量による単価の変化 使うほど高くなる(3段階) 変わらない

出典:東京電力エナジーパートナー スタンダードS(関東)楽天でんき 電気料金メニュー表(2026年2月25日実施)(いずれも2026年9月12日確認)

楽天でんきの電力量料金はエリアによって異なります。

エリア 単価 エリア 単価
北海道 43.00円/kWh 関西 33.98円/kWh
東北 37.40円/kWh 中国 38.70円/kWh
東京 36.85円/kWh 四国 36.20円/kWh
中部 37.78円/kWh 九州 38.15円/kWh
北陸 36.10円/kWh

以下の比較は東京エリアで行います。お住まいのエリアの方は、上の単価に置き換えて同じ計算をしてください。

契約30Aなら、どの使用量でも安くなります

月間使用量 東京電力EP(30A) 楽天でんき 月の差 年換算
150kWh 5,603円 5,528円 76円安い 909円
250kWh 9,243円 9,213円 31円安い 369円
300kWh 11,063円 11,055円 8円安い 99円
400kWh 15,112円 14,740円 372円安い 4,467円
500kWh 19,161円 18,425円 736円安い 8,835円

※基本料金と電力量料金のみの比較です。燃料費調整額・市場価格調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は含めていません。

注目していただきたいのは差が一定ではない点です。250〜300kWhのあたりで差がほぼ消え、そこから上でまた開きます。東京電力の単価が3段階で変わるため、楽天でんきの一律単価との差が使用量によって伸び縮みするからです。

契約20Aでは逆転します

楽天でんきの強みは「基本料金0円」から来ています。30Aなら月935円、40Aなら月1,247円の基本料金が消えるので、一律36.85円という少し高めの単価を吸収できます。

しかし20A(基本料金624円)だと吸収しきれません。

月間使用量 東京電力EP(20A) 楽天でんき
50kWh 2,114円 1,842円 271円安い
100kWh 3,604円 3,685円 82円高い
200kWh 7,112円 7,370円 258円高い
300kWh 10,752円 11,055円 304円高い
400kWh 14,800円 14,740円 60円安い

境目を1kWhずつ計算すると、89kWhで高いほうに転じ、384kWhで再び安いほうに戻ります。20A契約でこの範囲に入る方は、乗り換えると電気代が上がります。不利がいちばん大きいのは300kWh前後で、月304円、年3,648円の増加です。

ご自身の契約アンペアは、検針票(電気使用量のお知らせ)か分電盤のブレーカーで確認できます。

市場価格調整という、もうひとつの違い

楽天でんきには市場価格調整額があります。平均市場価格が7円未満なら料金から差し引かれ、13円を超えると加算される仕組みです。加算の基準となる平均市場価格には30円00銭という上限が設けられていますが、電力市場の相場によって請求額が動くという点は変わりません(出典は前掲の料金メニュー表)。

大手電力の燃料費調整額も変動しますが、調整の根拠が違います。上の表で出した差は「その月の相場次第で消えることもある」程度の幅だと理解してください。年909円や年369円の差は、相場が動けば簡単に逆転します。

なお再生可能エネルギー発電促進賦課金は、資源エネルギー庁が「全国一律の単価になるよう調整を行う」としているもので、どの電力会社でも同じです。比較には影響しません(2026年9月12日確認)。

ファイナンシャルプランナーの視点

楽天でんきについて、本サイトは積極的にはおすすめしていません。運営者自身も契約していません(理由は「わたしが使っていない楽天サービスと、その理由」)。理由は金額です。30A・月300kWhという平均的な条件での差は年99円。スマホの乗り換えが年10万円規模であることと比べると、使う労力に対して得られるものが小さすぎます。40A以上で月400kWh以上を使う世帯なら、年4,000〜9,000円の効果があるので検討の価値があります。それ以外の方は、先にやるべきことが他にあります。

楽天ひかり:毎月1,000ポイントが効く

楽天ひかりの月額料金は次のとおりです。

プラン 月額料金(税込) 最強おうちプログラム適用後の実質
マンションプラン 4,180円 3,180円相当
ファミリープラン(戸建) 5,280円 4,280円相当

出典:楽天ひかり(2026年9月12日確認)

最強おうちプログラムは、楽天ひかりを初めて申し込み、楽天モバイル(Rakuten最強プラン等)を使っている場合に毎月1,000ポイントが還元される仕組みです。「月末に『楽天ひかり』と『Rakuten最強プラン』等の利用が確認された月の、翌々月末日ごろに進呈」と説明されています。

つまり楽天モバイルを使っているかどうかで、楽天ひかりの価値が大きく変わります。使っていなければ4,180円のまま、使っていれば実質3,180円相当です。年間で12,000ポイントの差になります。

ただしポイントで受け取る分については、本サイトの立場をはっきりさせておきます。現金の支出は減っていません。楽天市場などで使って初めて値引きとして実現します。毎月の家計のキャッシュフローを楽にしたいなら、現金で安い回線を選ぶほうが確実です。

楽天モバイルを使っているなら、毎月1,000ポイントが付きます

マンション4,180円/戸建5,280円。ポイント分を引くと実質3,180円/4,280円相当です

楽天ひかりの公式サイトを見る

※ 条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

工事費「実質0円」の中身

楽天ひかりには工事費のキャンペーンがあります。公式の説明はこうです。「工事費22,000円まで24回払い分の最大916円/月を24カ月間毎月ポイント進呈で実質0円」

この仕組みを分解すると、次のようになっています。

  1. 工事費22,000円は、24回の分割で請求されます(月916円)
  2. それに相当する額が、毎月ポイントで戻ってきます
  3. 24か月払い終えた時点で、支払った現金と受け取ったポイントが釣り合います

ここから導かれる注意点が2つあります。

ひとつは、24か月より前に解約すると残りの工事費が現金で残ることです。たとえば12か月で解約すれば、残り12回分(約11,000円)を支払う一方、ポイント進呈も止まります。「実質0円」は2年使い切った場合の話です。

もうひとつは、工事費が22,000円を超える場合があることです。公式にも「居住設備の都合や時間指定等の追加費用により工事費が22,000円を超える場合があります」と注記されています。超えた分はキャンペーンの対象外です。

なお、最低利用期間や契約解除料の金額については、私が確認した公式ページには記載がありませんでした。「楽天ひかり利用規約」と「重要事項説明書」に定められているので、申し込み前にそこでご確認ください。本記事では未確認の数値を書きません。

乗り換えの判断は、更新月と残債から

光回線の乗り換えで失敗するパターンは、ほぼ一つです。今の契約の解約金と工事費の残債を確認せずに申し込むこと。

月5,000円の回線から楽天ひかり(マンション)に乗り換えた場合、現金ベースの削減額は月820円、年9,840円です。ここに解約金や残債が2万円あれば、初年度は赤字になります。

申し込む前に、今の契約について次の3つを調べてください。

  • 契約の更新月はいつか(更新月なら解約金がかからない契約が多い)
  • 工事費の分割が残っていないか
  • 解約時に撤去工事が必要か、その費用はいくらか

SPUは、実際にはどれだけ効くのか

両サービスはSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象です。ただし倍率だけ見ても意味がありません。月間獲得上限と、その上限に届くために必要な楽天市場での購入額を並べます。

サービス 倍率 主な条件 月間上限 上限到達ライン(税抜)
楽天ひかり/Rakuten Turbo +2倍 契約+エントリー 1,000pt 50,000円
楽天でんき +0.5倍 前月5,500円以上の利用 1,000pt 200,000円

出典:楽天市場SPU総合ページ(2026年9月12日確認)。上限到達ラインは「上限pt ÷(倍率×0.01)」で算出した理論値です。

この表の読み方は「倍率より上限|取りこぼしを防ぐ考え方」で詳しく解説していますが、ここでの要点は1行です。

楽天でんきの+0.5倍で上限1,000ptを取るには、楽天市場で月20万円(税抜)の買い物が必要です。

月2万円買う方なら、楽天でんきのSPU分は100円相当です。年1,200円。これを理由に電気の契約を変える判断にはなりません。

楽天ひかりの+2倍は月5万円で上限に届くので、まだ現実的な水準です。月2万円の買い物なら400円相当、年4,800円。最強おうちプログラムの年12,000ポイントと合わせれば、ポイント面での価値は年16,800円相当になります。

ファイナンシャルプランナーの視点

倍率の数字は大きく見えますが、上限と自分の購入額を当てはめると急に小さくなります。これはSPU全体に共通する構造です。「+0.5倍」を「年1,200円」に翻訳してから判断してください。翻訳してみると、電気の契約を変える理由にはならないことがはっきりします。翻訳の方法は「倍率を実質値引き率に換算する」にまとめています。

結局、どちらをやるべきか

条件 楽天ひかり 楽天でんき
楽天モバイルを使っている 検討の価値あり(毎月1,000pt) 料金次第
楽天モバイルを使っていない 今の回線の料金と比べて判断 料金次第
契約30A以上・月400kWh以上 検討の価値あり(年4,000円〜)
契約20A以下・月89〜383kWh やめたほうがよい(年3,600円の増加)
今の回線に解約金・工事費の残債がある 更新月まで待つ
2年以内に引っ越す予定がある 工事費の残債が出るため見送り 問題なし

優先順位としては、楽天ひかりのほうが先です。楽天モバイルを使っているなら毎月1,000ポイントが確実に付き、金額も電気より大きくなります。楽天でんきは、アンペア数と使用量を確認してから、条件に当てはまる方だけどうぞ。

どちらも後回しにして構いません。固定費の見直しで効果が大きいのはスマホと保険です(「固定費置き換えの年間削減シミュレーション」)。この2つが終わってから、この記事に戻ってきてください。

申し込む前に、いまの契約の更新月と工事費の残債を確認してください

工事費22,000円は24回分割。2年以内に解約すると残債が現金負担になります

楽天ひかりの公式サイトを見る

※ 条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

注意点

注意点・デメリット
  • 電気料金の比較は基本料金と電力量料金のみです。燃料費調整額、市場価格調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金は含めていません。実際の請求額はこれらを加えたものになります。
  • 楽天でんきの市場価格調整額により、請求額は変動します。本記事で示した年909円・年369円といった小さな差は、相場が動けば逆転します。
  • 東京電力以外のエリアは単価が異なります。エリア別の単価表を載せていますが、比較相手となる大手電力の単価も地域ごとに違います。必ずお住まいのエリアの両方の単価でご確認ください。
  • 楽天ひかりの最低利用期間・契約解除料の金額は、本記事では確認できていません。公式の利用規約・重要事項説明書でご確認ください。
  • 工事費が22,000円を超える場合、超過分はキャンペーンの対象外です。公式にも注記されています。
  • オール電化向けプランや低圧以外の契約は本記事の対象外です。楽天でんきのプランSは低圧の一般的な契約を前提としています。
  • 料金・条件・キャンペーンは変更されます。本記事の数値は2026年9月12日に各出典で確認したものです。契約前に必ず公式ページで最新の内容をご確認ください。

FAQ

Q1. 自分の契約アンペアがわかりません。どこで見られますか?
A. 検針票(電気使用量のお知らせ)に記載されています。見つからない場合は、分電盤のいちばん左にあるブレーカーに数字(20、30、40など)が書かれています。Webの契約者ページでも確認できます。

Q2. 楽天でんきは基本料金0円なので、一人暮らしに向いているのでは?
A. 一概には言えません。一人暮らしは契約アンペアが20A〜30Aで使用量も少ない傾向がありますが、20A契約で月89kWh以上使うと高くなります。ご自身のアンペア数と使用量の両方で判断してください。月50kWh程度の極端に少ない使用量なら安くなります。

Q3. 楽天ひかりは楽天モバイルを使っていないと意味がないですか?
A. 最強おうちプログラムの毎月1,000ポイントは楽天モバイル利用が条件なので、そこは付きません。ただし月額4,180円(マンション)自体は、今の回線より安ければ乗り換える理由になります。ポイントの有無ではなく、現金の月額で比べてください。

Q4. SPUの倍率が上がるだけでも、やったほうが得ではないですか?
A. 楽天市場での買い物が月10万円を超えるなら検討に値します。月2万円程度の方の場合、楽天でんきのSPU分は年1,200円です。乗り換えで電気代が上がるなら、この1,200円では埋まりません。料金の比較を先にしてください。

更新情報

監修:にゃんころ(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/編集:FPにゃんころの楽天経済圏やってみた 編集部
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