わたしが使っていない楽天サービスと、その理由

tsukattenai-service 注意点・デメリット

この記事の結論

  1. 私は楽天経済圏を使っていますが、SPU対象サービスのうち6つは意図的に使っていません。ゴールド/プレミアムカード、楽天ウォレット、楽天ひかり、楽天でんき/ガス、楽天ビューティ/Rakuten Fashion、楽天Kドリームスです。
  2. 理由は3種類に整理できます。「年会費の元が取れない」「料金比較で有利にならない」「SPUのために支出が増える」の3つです。
  3. とくに3つ目が重要です。この4サービスの条件をすべて満たすには年間約57.6万円の支出が必要で、得られるのは最大でも年54,000ポイント。 差引で約52万円のマイナスになります。

この記事でわかること

  • 使っていない6サービスと、それぞれの具体的な非採用理由
  • 非採用理由を分類する3つの型(他の人にも応用できます)
  • 「全部やると年52万円のマイナス」という試算の中身

なぜ「使っていないもの」を書くのか

楽天経済圏の解説記事は、たいてい「どうすれば倍率を上げられるか」という方向で書かれます。しかし実際に生活の中で使ってみると、取りに行かないほうがいい項目が確実にあります。

本サイトの立場は一貫しています。ポイント還元は収入ではなく支出の値引きであり、値引きを受け取るために支出を増やすのは本末転倒です(詳しくは「倍率を実質値引き率に換算する」)。

この立場を取る以上、「私自身が何を使っていないか」を開示しないのは筋が通りません。以下、6つのサービスについて、判断の過程ごと書きます。

型①:年会費の元が取れない

楽天ゴールドカード/楽天プレミアムカード

私は年会費無料の通常カードを使っています。上位カードにしていない理由は、損益分岐点に届かないからです。

カード 年会費 元を取るために必要な条件
ゴールド 2,200円 楽天証券のクレカ積立を月10万円(還元率差0.25%で年3,000円)、または誕生月に税抜22万円の楽天市場での買い物
プレミアム 11,000円 楽天市場で月19.2万円以上(税抜)の購入、または楽天モバイル契約+ギガ割引の使い切り、または海外空港ラウンジを年5回程度利用

私の楽天市場での購入額も、クレカ積立の金額も、この水準には達していません。ラウンジや旅行保険も、現在の生活では使う機会がありません。

年会費は確定した支出で、特典は使った分だけの値引きです。 この非対称性がある以上、「持っていればいつか元が取れる」とは考えないことにしています。

詳しい損益分岐点の計算は「楽天カード比較」に整理しています。

ファイナンシャルプランナーの視点

上位カードは「持っている人が損をしている」わけではありません。条件に当てはまる方にとっては合理的な選択です。ここで言いたいのは、自分が条件に当てはまるかを計算してから決めるべきということだけです。

型②:料金比較で有利にならない

この型の特徴は、新たな支出が増えるわけではないという点です。すでに払っている固定費を、楽天のサービスに置き換えるだけだからです。だからこそ、判断は純粋に「料金とサービス品質の比較」になります。

楽天ひかり/Rakuten Turbo

SPU+2倍(月間上限1,000pt、上限到達ライン税抜50,000円)と、SPU項目の中では高めの倍率です。年間で最大12,000ポイントになります。

それでも切り替えていないのは、現在使っている回線と比べて、料金・通信速度の両面で明確に有利にならなかったためです

ネット回線は毎月固定でかかり、乗り換えには工事や手続きの手間も伴います。年12,000ポイントは、この判断を覆すほどの金額ではないと考えました。

楽天でんき/楽天ガス

楽天でんきはSPU+0.5倍(月間上限1,000pt、上限到達ライン税抜200,000円)で、条件は前月5,500円以上の利用です。年間で最大12,000ポイント。

電気・ガスは地域、契約プラン、使用量によって損得が大きく変わります。使用量が少ない世帯では不利になる料金体系もあり、一律に「楽天に変えれば得」とは言えません。私の場合、現在の契約と比較して明確なメリットが出なかったため見送っています

ファイナンシャルプランナーの視点

型②のサービスは、SPUを判断の中心に置かないことが重要です。まず通信費・光熱費として比較し、料金がほぼ互角ならSPUを加点材料にする——この順序であれば失敗しません。この考え方は「楽天モバイル」でも同じです(そちらは料金面で有利だったため私は使っています)。

型③:SPUのために支出が増える

ここが最も重要な型です。条件を満たすために、本来しなかった支出が必要になるものです。

楽天ウォレット(暗号資産)

SPU+0.5倍(月間上限1,000pt)。条件は月30,000円以上の暗号資産の購入です。

  • 年間の必要支出:360,000円(暗号資産の購入)
  • 年間の最大獲得ポイント:12,000pt
  • 支出に対する還元率:約3.33%

暗号資産の価格は年間で数十パーセント動くことも珍しくありません。3.33%の還元のために、値動きの大きい資産へ年36万円を投じる——この交換は、私には合理的に見えませんでした。投資として暗号資産を持ちたいのであれば、SPUとは切り離して判断すべきです。

楽天ビューティ/Rakuten Fashion

サービス 倍率 上限pt/月 条件 年間必要支出 年間最大pt
楽天ビューティ +0.5倍 500pt 月1回3,000円以上の予約&施術 36,000円 6,000pt
Rakuten Fashion +0.5倍 1,000pt 月1回5,000円以上の購入 60,000円 12,000pt

これらは「支出が増える」というより、生活の選択をSPUに合わせることになる点が引っかかりました。行きつけの美容室を予約経路の都合で変える、服の買い方を毎月5,000円以上という条件に合わせる——還元のためにそこまでするのは、優先順位が逆だと考えています。

楽天Kドリームス(競輪)

SPU+0.5倍(月間上限2,000pt)。条件は月10,000円以上の投票です。ここだけは、FPとして明確に立場を示しておきます。

私はこの項目を推奨しません。

公営競技には法令にもとづく控除があり、競輪の払戻率は総務省の資料で75.0%とされています(出典:総務省資料、平成20年度のデータ)。つまり構造的に、投じた金額の平均的な回収率は100%を下回ります。

前提条件:条件を満たす最低額(月10,000円)を1年間投票し、SPUの上限にも到達したと仮定した場合。

項目 金額
年間の投票額 120,000円
払戻率75%での期待払戻額 90,000円
期待される損失 −30,000円
SPUで得られる年間最大ポイント +24,000pt
差引 約−6,000円

SPUの還元を含めても、期待値はマイナスです。しかも同資料は「1日に複数レースに賭ければ期待値はさらに低下する」とも指摘しています。

ファイナンシャルプランナーの視点

娯楽として競輪を楽しむこと自体を否定するつもりはありません。ただしそれは娯楽費であって、ポイント還元の手段ではありません。 「SPUのために投票する」という動機で始めることだけは、避けていただきたいと思います。

全部やるとどうなるか(試算)

型③の4サービスをすべて実行した場合を計算します。

前提条件:各サービスの条件を満たす最低額で1年間継続し、なおかつ楽天市場での購入額が各項目の上限到達ラインに達していると仮定した、最も有利な場合の試算です。

サービス 年間必要支出 年間最大獲得pt 上限到達に必要な楽天市場での月間購入額(税抜)
楽天ウォレット 360,000円 12,000pt 200,000円
楽天ビューティ 36,000円 6,000pt 100,000円
Rakuten Fashion 60,000円 12,000pt 200,000円
楽天Kドリームス 120,000円 24,000pt 400,000円
合計 576,000円 54,000pt 月40万円が必要

支出576,000円に対して獲得54,000pt。還元率にすれば約9.4%ですが、差引では約522,000円のマイナスです。これらの支出の大半は、SPUがなければ発生しなかったものだからです。

さらに補足すると、この表の「年間最大獲得pt」ですら、楽天市場で月40万円(税抜)買い物をしている人でなければ到達しません。多くの方にとっては、この最大値にも届かないことになります。

ファイナンシャルプランナーの視点

「SPU18.5倍」という数字は、こうした支出をすべて積み上げた先にあります。倍率を目標にすると、この構造が見えなくなります。倍率ではなく、自分の支出額における実効値引き率を見る——本サイトが繰り返しお伝えしている理由がここにあります。

注意点

注意点・デメリット
  • 本記事は私個人の判断であり、すべての方に当てはまるものではありません。すでに暗号資産投資をしている方、毎月一定額を美容やファッションに使っている方にとっては、これらの項目が合理的な選択になる場合があります。
  • 試算はすべて「上限に到達した場合の最大値」で計算したモデルケースです。実際の獲得ポイントはこれを下回ることが一般的です。
  • 競輪の払戻率は総務省資料(平成20年度)のデータです。現在の水準は変動している可能性がありますが、控除がある構造自体は変わりません。
  • SPUの倍率・上限・条件は変更されることがあります。本記事の数値は2026年8月27日時点の確認結果です。
  • 型②(楽天ひかり・楽天でんき)については、地域や現在の契約によって結論が変わります。私が見送ったからといって、皆さんにとって不利とは限りません。ご自身の契約と比較してください。

FAQ

Q1. 使っていないサービスがあると、SPU倍率で損をしませんか?
A. 倍率の数字上は下がります。しかし本記事5章のとおり、それらを取りに行くための支出のほうが大きくなります。倍率ではなく、支出と還元の差額で判断してください。

Q2. 楽天モバイルは使っているのですか?
A. はい。ただしSPU+4倍が理由ではなく、通信費として比較したうえで有利だったためです。詳しくは「楽天モバイル」をご覧ください。

Q3. 型②のサービスは、条件次第では使ったほうがいいということですか?
A. そのとおりです。楽天ひかりや楽天でんきは追加支出ではなく既存の固定費の置き換えなので、料金比較で有利なら使う価値があります。地域や使用量で結論が変わるため、必ずご自身で比較してください。

Q4. 将来使い始める可能性はありますか?
A. あります。たとえば楽天市場での購入額が大きく増えればプレミアムカードの損益分岐点に届きますし、回線契約の更新時期に楽天ひかりが有利になる可能性もあります。判断は定期的に見直すつもりです。

Q5. この記事の判断基準を自分にも使えますか?
A. 使えます。「年会費などの確定コストがあるか」「既存支出の置き換えか、新たな支出か」「条件達成に必要な支出額と、得られる最大ポイントはいくらか」——この3点を計算すれば、どの項目を取りに行くべきかが見えてきます。

更新情報

  • 初稿公開日:2026年8月27日
  • 本文中の数値の確認日:2026年8月27日
  • 出典:楽天市場SPU総合ページ総務省資料(公営競技の当せん金率)
  • 更新履歴
    • 2026年9月11日:楽天市場のSPU総合ページを読み直し、楽天ウォレット(500pt→1,000pt)と楽天Kドリームス(1,000pt→2,000pt)の月間獲得上限を修正しました。これに伴い第4章・第5章の試算を再計算しています(4サービス合計の獲得上限 36,000pt→54,000pt、差引 約54万円→約52万円のマイナス、楽天Kドリームスの期待値 約−18,000円→約−6,000円)。結論は変わりません。
    • (以降、変更があったらここに追記します。過去の記載は削除せず残します)

監修:にゃんころ(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/編集:FPにゃんころの楽天経済圏やってみた 編集部
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